タンニンなめし牛革製品の取り扱いとお手入れ

ナチュラルセットで販売しているタンニンなめしの牛革製品のお手入れ方法に関するエントリです。
参考になさってください。

目次

1. このページで対象にしている当店の製品

2.通常のお手入れ
2.1 日常のブラッシング
2.2 定期的なクリームのお手入れ

3. コトが起きた時の対応
3.1 キズをつけてしまった
3.2 汚れがついた
3.3 雨がかかってしまった

4. いろんな困りごとの予防策(これが一番お伝えしたいところ。重要!)

1. このページで対象にしている当店の製品

ナチュラルセットで素材として使っている革は、タンニンなめしである点と、顔料による着色や樹脂の塗布などの表面加工を施していない点で共通しています。

このページでは、そういった革を使っている当店の製品を代表して、すっきりレザーショルダーバッグ(写真中央)を例にとってお手入れ方法を説明しておりますが、(革のタイプが異なる)以下の2つを除く当店のすべての製品について、当ページの説明に沿ってお手入れしていただいて結構です。

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・除外その1
手仕上げオイルドレザー(あるいはオイルレザー)を使った以下の製品については、油分を強めた風合いにしてあります。当ページの説明に沿って手入れしても全く問題はありませんが、オリジナルのオイリーな風合いを維持なさりたい場合、ミンクオイルを使った手入れが目的にあっています。
手仕上げオイルドレザーのロールペンケース
手仕上げオイルドレザーのペンケース(革ひもタイプ)
手仕上げオイルドレザーのペンケース(ブラスホック)
keyポーチ

・除外その2
また、一部の製品で使用しているスプリットレザーは、表皮を取り去った素材で、表面がラフなので、クリームやオイルの塗布は不要です。ブラッシング程度で結構です。
pigskin(豚革)は牛革に比べて表面がラフであるのに加えて、水分・油分を大変吸収しやすい性質が有ります。
色が沈む可能性があるのでクリームやオイルは使わず、こちらもブラッシングのみでお願いします。

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2. 通常のお手入れ

最初にタンニンなめし牛革のお手入れにお薦めするアイテムを紹介します。

・モウブレイ・デリケートクリーム
外部からの影響を受けやすい、表面加工を施していないタンニンなめし革のお手入れに最適な、イタリア産のクリームです。
ミンクオイルのように粘度の高い油分ではなく、ラノリンというマイルドな蝋が主成分のジェル状なので、べたつかず、サラッとなじみます。油分の浸透による色の沈みもなく、風合いの変化を極力抑えながら、潤い分を補給してくれます。
・ブラシ
ホコリ落としにつかいます。
・適当な布きれ。
デリケートクリームを塗るのに使います。当たりの柔らかさの点ではネルがおすすめです。

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(補足)
モウブレイ・デリケートクリームは、以下の様な理由でおすすめしています。販売元とは利害関係はありません。
・あぶらあぶらしておらず、潤い分のみを補給してくれる点で、外部からの影響を受けやすい革に最適
・セールスコピーに誇張や矛盾がない

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2.1 日常のブラッシング

定期的なクリームのお手入れ以前に、日々のブラッシングはとても重要です。
ブラッシングによって、多少粘着性のある汚れでも、ついたばかりのものなら容易に除去できる点もメリットですが、一番の狙いはホコリの除去です。
ホコリが付着すると、革の組織の劣化を早めますし、気候によっては湿気を吸い寄せ、カビの発生の原因ともなります。日々のご使用後はできるだけブラッシングしていただき、トラブル発生の予防につとめてください。

ミシン・手縫いでステッチしてあるところは一通り。

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縫い合わせ目はステッチに比べて溝が深いので、念入りに。

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2.2 定期的なクリームのお手入れ

冒頭でご紹介したモウブレイ・デリケートクリームで、水分・油分を補給します。
頻度としては、頻繁にお使いになるバッグであれば、月に2回程度。たまに使う程度なら月1回。
小物類なら月1回程度。といったところです。

次にお手入れ方法を説明いたします。

軽くブラッシングしてホコリを落とした後、布切れにクリームを少しとり、塗り伸ばします。

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クリームが付いたところは、その水分の浸透によって一時的に濃く見え、ドキッとしますが、気を取り直して伸ばします。

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ほぼ全体に塗り終わったたところです。まだ濃く見えますが・・・

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数分から数十分放置し、一通り乾燥すると、ほぼ元通りになります。

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ナチュラルセットの革製品はセミマットな感じの風合いが主流で、このクリームが乾いた段階では正にその状態ですが、すこしツヤが欲しいときは、ネルなどの布で軽く仕上げ拭きしてください。

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【秘密情報】めんどくさがりの方のための極秘の塗り方

布地にとって塗り広げるのがどうしても面倒。という方は、以下の方法もあります。

(1)床の上に座って、膝を立てる。
(2)バッグを膝にスポッとかぶせる。
(3)容器からティースプーンなどでクリームをとり、両手の手のひらに広げる。
(4)両手を使ってバッグに塗り伸ばす。

このすっきりショルダーバッグだと、ティースプーン2杯から3杯も使えば十分に行き渡ります。
人目をはばからなくて良い時にやってください。

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3. コトが起きた時の対応

3.1 キズをつけてしまった

タンニンなめしの革は、柔軟なクロムなめしに比べて可塑性(押されたら凹みっぱなしになる性質)が高いので、爪やカギなどの突起物があたると跡が残りやすい傾向があります。
こういった”キズ”は、その場所の革が線状に凹んでいたり、摩擦によって表面の屈折率が変わって白っぽく見えているだけなので、早めに対処すればかなり改善させることができます。(表皮が切れていない場合に限ります)

爪でキューツとやったキズです。カギの先などで引っ掻いてしまった時と同様の線キズですね。

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キズによる凹みを押し出して平らにするつもりで、キズの真後ろから指で押しながら、もう片方の指で脇をつまんで隆起させ、キズ部分の革を伸ばします。

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ギュッと。。

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つまんで飛び出し、白っぽくなったところを、逆に押さえて、グニグニ揉んで整えます。

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キズで凹んでいたところが戻ってきたので、だいぶ目立たたくなりました。

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もう少し改善したいなという場合は、デリケートクリームをつかってみましょう。
クリームの水分を浸透させて、凹んだ組織をプクッと膨らませる感じです。かなり目立たなくなります。
キズのところだけに塗ればいいので、直接指で塗ってしまいましょう。
なお、クリームの容器内の雑菌の繁殖を防ぐために、指を入れる前に手を洗うか、スプーン等をつかって取り出してください。

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ちょちょっと伸ばして。。

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こんな風に仕上がりました。問題なしです!

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3.2 汚れがついた

表面を顔料で塗装して着色することが前提のクロームなめしの革に比べて、表面加工が施されておらず(ほとんどバリアがない)、外部からの影響を受けやすいタンニンなめし革の性質から言って、以下の様な浸透性の高い汚れはほとんど落とせないものと考えてください。
・ボールペン、マジック
・万年筆などのインク
・塗料、マニキュア
・ネイルリムーバーなどの溶剤によって生じた色ムラ

なお、弱い油性や水性の汚れは、直ちに少し湿らせたペーパーナプキンなどで速やかに拭き取れば多少和らげることができます。
・コーヒー
・ソース、ドレッシング
・血液

みなさまご存知のとおり、タンニンなめしの革は、経年使用に伴い、酸素や日光、手の皮脂などの影響を受けて全体的に色味が深くなります。(エイジング)
厳密にいうと、この表情の変化の原因のひとつには、手垢等の汚れも含まれるわけですが、ムリに落とそうと考えず、その他にあれこれくっつけてしまった汚れやキズと一緒に、自分とバッグの歴史として味わっていただくのが良いと思います。

特にクリーナーとして販売されている溶剤を含む製品は、基本的に使わないでください。革が汚れを含んだクリーナーのクリームを吸い込んでしまい、ムラが生じて収拾がつかなくなってしまいます。

とは言え、ちょっとスッキリしたいとお思いの際は、こんな方法をお試しください。
びっくりするほど変化が生じるわけではありませんが、作業後はほんのりとツヤが出て、一番表の汚れがうっすらと落ちた感じはします。

柔らかい布地に霧吹きをして、かるく湿らせます。
ほんのりと湿る程度にしてください。ウエットティッシュのような濡れ具合は行き過ぎです。

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湿らせた布地でこすります。
基本的に拭き掃除ですから、同じ面で何度も行ったり来たりせず、新しい面を使って2,3度拭いてみてください。
なお、やればやるほど綺麗になるというものでもないので、2,3度でやめにしてください。
乾いたら、2.2定期的なクリームのお手入れと同様にクリームで仕上げてください。

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3.3 雨に濡らしてしまった

革製品ですから、ザーザー雨のお天気の日にはお使いいただかないのが原則ですが、急に降られて雨ジミが出来てしまうことはあり得ますね。
一定期間お使いいただいて、摩擦によってツヤがでてくるくらい表面が強くなると、キズもつきにくくなり、雨も(早めに払ってあげれば)染み込みにくくなるのですが、それまでの若い内はしみになりやすいです。
そういった雨ジミは、エイジングが進んで全体が濃くなると、ほとんど目立たなくなりますが、放っておきたくない場合は以下の方法を参考にしてください。

(補足)
防水スプレーというテもありますが、表面に膜をつくることが革にとってモンダイないのか確信が持てないのと、ちゃんと換気をしないとけっこう頭が痛くなるので、あまり体にいいものじゃないんだろうなと思うのと、それなりに値段がするしなということで、積極的にはお薦めしてません。とは言えちゃんと販売されているものですから、お好みで、というところでしょうか。

これは若い革です。2枚とも同じです。

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雨に降られてしまいました。

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すぐにハンカチで払いましたが、染みこんでしまいました。

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このまま完全に乾いてしまうと、濡れたところと濡れなかった所の境界線が雨ジミとして目立つようになります。
よって、境界線の発生を和らげるために、ゆるゆるに絞ったおしぼり程度に濡れた布で、全体を濡らしてしまいます。

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そのまま乾いた状態です。
一度濡れたことにより、若干色目が濃くなっているものの、シミについては、雨を拭きとっただけの左に比べてだいぶ目立たなくなっていますね。

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この程度の濡れでは、革が縮むことはありませんので、全体を濡らすことに抵抗のないは試してみてください。
乾いたら、2.2定期的なクリームのお手入れと同様にクリームで仕上げて終わりです。

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4. いろんな困りごとの予防策(重要!)

3では、汚れやキズへの対処方法をお伝えしました。
3の本文中でも触れましたが、表面にツヤがでるくらいにエイジングが進んでくると、革の表面がある程度硬くなり、外部の影響を受けにくくなりますが、それまでの間は水濡れ、汚れ、キズがつきやすい状態です。

こういった影響を受けにくくするための予防策として、製品が新しいうちから、モウブレイのデリケートクリームでの事前の水分と油分の補給を強くおすすめしたいのです。

イメージとしては、小さい子供の肌の状態です。
少々いやな例えでごめんなさいですが、潤いが不十分な肌だと、水を垂らした時に水玉のように弾かずにじわっと濡れますし、乾燥した肌だと、爪で引っ掻いた時に白く跡が残ります。
ここにあらかじめ水分・油分を補い、子供の肌のようにしておくことで、傷つきや水濡れを防止することが出来ます。
また、子供の手や腕のクレヨンの落書きがわりと簡単に落ちるように、軽微な汚れもつきにくく、落ちやすくなる効果もあります。

以下に、事前のお手入れによる水濡れの防止効果の実験をご覧に入れましょう。

いずれもエイジング前の若い革です。
左はなにもしないそのまま、右はあらかじめデリケートクリームで手入れしてあります。

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ここに、水滴を垂らします。

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その後、さっと拭き取ります。

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数十分経過して、ほぼ乾いた状態です。

左側は3.3の実験の時と同様、雨ジミが残っていますが、お手入れ済みの右側はほとんど影響を受けていません。
左側は水分量が少なかったので、水滴がサッと滲み込んでしまったのに対して、右は適度に水分・油分を保っていたので、通せんぼされていたわけです。
あと、画像は省きましたが、爪による傷つきについても、右側の方が影響を受けにくいことが確認できました。

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以上で当ページの説明は終わりです。
ご不明の点があれば、お気軽にお問い合わせください

最後に関連サイトをお伝えします。
アールアンドデー株式会社
デリケートクリームの輸入販売会社です。
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