イタリアンレザーの手縫いトートのメイキング

皆さんお元気ですか?
全国的に雨降りで、各地で浸水などの降雨被害が発生しているようです。
ここ浅草橋はずいぶん雨足が強いな。という程度で、現地のご不便をわかりようもないのですが、早期の収拾をお祈りいたします。

さて、今回はタイトル通り、ここ1週間弱、取り組んでいた手縫いのバッグ。製品名オーダーで作るイタリアンレザーの手縫いトートのメイキングを特集?してみたいと思います。

手縫いトートバッグとしては、こちらのオイル仕上げのレザートートバッグと比べ、サイズがちょこっと大きくなっているものの、見た目の仕様はほとんど同じですが、今回の製品は通常のバッグと同様、内布がつけてある点が大きく違います。

コレに伴い、当然部材の数は変わってきますが、それ以上に工程が増えます。なんだかんだとスナップした写真が50枚ちょっとにもなり、ずいぶん長いエントリになりますが、どうぞお付き合いください。

まず、製品の外観です。
幅は35センチ(底)・約42センチ(上)×マチ10センチ、高さ29センチ。
オーダーですのでハンドルの長さは自在ですが、これは45センチです。
お使いになる方の肩まわりの具合にもよりますが、置いた時のプロポーションでいえば、45センチはベストだなー、と感じております。皆さんはいかがでしょうか。

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最初に型紙を当てて切り出します。
制作の手間はかなりのものですが、型紙は非常に単純です。
説明は不要だと思いますが、下が本体で、上に乗っかってるのがハンドル。
内布の上部をくるっと一周する革と、タグやマグネットなどの革は写っていません。

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アップでみてみましょう。
型紙には、あらかじめ縫い穴も開けてあり、その穴に菱目打ち(穴あけ用の道具・後述)を当てて、印をつけてあります。

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ハンドルをつけるところもこのようにポツポツと凹んでいます。

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この印に菱目打ちをあてがい、木槌でたたいて縫い穴を開けていきます。

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小回りを聞かせるところは、刃が2本だけの道具で開けます。

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ご挨拶が遅れましたが、私達が菱目打ちです。
革関係の道具の老舗。岩田屋工具店謹製でございまする。
手作りで、刃先の形状が緩やかなテーパー状に仕上げてあるので、穴を開けた(革に刺さった)状態から刃が抜けやすく、作業性がとてもよろしいです。
このブログを書いている時点では、ホームページに「生産が追いつかないので当面受注停止」と書いてあります。
いい仕事には支持が集まるのですね。見習いたいものです。

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一通り縫い穴を開けたら、革のヘリの処理をしておきます。
カドの面取りをして、丸くしています。

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次いで、色を指し、仕上げ剤をつけて磨きます。
写真はマチの縫い合わせ部分で、外側にくるほうです。重なる内側については、このような処理は不要です。
上端については、一応色だけ指しておきますが、磨く仕上げは、内布の上端にくる革と縫い合わせて、両者の端がきっちりそろった後で行います。

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マチを縫う前にクラフト用のボンドで接着します。
ボンドをつける前に、革の表面(吟面・ぎんめん)を荒らしておきます。
こうすることで、接着剤が染み込みやすくなり、貼り合わせ強度が増します。

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貼り合わせる部分だけキレイに表皮を剥ぐには、刃物を前後させる際に、定規をガイドラインにして作業します。

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裏返もちょこっと手を加えておきます。
胴とマチの下端の折り曲がる部分について、裏面を少し削いで溝を付け、曲がりやすくしておきます。

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長方形の溝ができました。

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それでは張り合わせに移ります。
まずクラフトボンドを塗ります。
こういう直線状に、かつ細いラインで塗るときはもんじゃ焼きのヘラがとても重宝します。

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接着剤が塗れたら、手早く重ねて仮固定します。
固定の方法はいろいろあると思いますが、菱ギリ(キリの断面が菱型になっている目打ちのようなもの)を双方の穴に貫通させて位置合わせをし、ところどころ指で圧迫しながら時を過ごします。
15分~20分くらいしたら、菱ギリを抜き、後で縫い針の通りがよくなるように、全ての穴にキリを通します。

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糸の準備です。
下のように、糸の途中をなみなみに刺した後、端を針穴に通し、右から左に糸をズズズーッとずらすと上のようになります。針は糸の両端それぞれに付けます。

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下から上に向かって縫っていきます。
糸の両端の2本の針が、かばんの外⇔内を行ったり来たりします。

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脇マチを縫い終わったら、底マチに移ります。
接着前に表面を荒らして、、

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接着剤を塗ってから、折り曲げてぺたん。

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ここは、脇のマチのように、予め両方に穴を開けてありませんので、前出の菱ギリを使って、奥まで貫通させておきます。

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開通したら縫いましょう。
これでひとまず本体部分は脇に置き、ハンドルの制作にかかります。

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ハンドルの出来上がり幅は25ミリです。

これは約70ミリ(80ミリだったかな?)でカットした革。
これを貼りあわせて、25ミリ幅で2本カットし、ハンドルのベースを作ります。

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クラフトボンドを全面に塗ります。
が、両端については、本体を挟むようにして縫い付けるので、塗らずにおきます。

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貼り合わせました。
一応、タテヨコ全辺、きちんと合わせて貼りましたが、後で細切りにするので、長辺の端は多少ずれてても問題ありません。性格の問題ですねー。

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予告通り、25ミリ幅でカットしました。
なぜか普通のカッターが写り込んでますが、こういう直線を切るときは丸刃のロータリーカッターを使います。

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その後、両端に菱目打ちで下穴を開けます。

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ぐるりと穴だらけになりました。

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それではハンドルの縫い合わせに移りましょう。
写真では中盤に差し掛かってますが、上述のとおり、両端は本体と縫いつけますので、縫穴の数にして10個開けて、11個目の穴から縫い始めます。

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2本縫い終わりました。

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次に両端の仕上げを行いましょう。
本体部分同様、まずは面取りをば。

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次に茶色の染料で着色し、仕上げ剤を塗って、木の棒で磨きます。
キラン!と反射してますね。

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ハンドルに関連する部品を作ります。
本体に縫い付けたハンドルが、本体の上端のラインで折れ曲がらないよう、骨がわりとして、中に仕込む部品です。
バッグの底板などに使うベルポーレンという素材を使いました。
適した形に切って、周囲の厚みを減らしてあります。

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この隙にその他の部品も準備しておきましょう。
内布につける革タグと、マグネットです。

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こちらは内布。
外側の革と同様、一枚の布です。
両側にポケットを付けました。もう片方は仕切りのないおおきなポケットです。

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ちょっと工程が飛びましたが、内布が完成しました。
写真は本体の中にセットして、口周りを仮止めしたところです。

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この次は、口周りをぐるっとミシンで縫い止めるのですが、その前にハンドルをつける下穴を開けておきます。

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腕ミシンをつかって、口周りを縫います。
向かって右側から突き出ている「腕」の先の部分に下糸が巻いてあるボビンが入ってるので、このような袋物の中に突っ込んで縫うことが出来ます。

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縫い終わりました。
着色、磨きも終わりました。

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それではハンドルの取付に移ります。
先ほど開けた下穴です。

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本体同様、接着する部分の表皮を荒らします。

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ボンドを塗ります。
ボンドは乾いてしまえばニュートラルなので、そんなに几帳面に穴を避けて塗る必要もないのですが、例のもんじゃヘラを使うと、2ミリ幅くらいで塗ることも可能なので、やってみました。

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塗り道具2種。
長辺はもんじゃヘラ、短辺は「モデラ」という名前のヘラ状の道具です。

DSC_3581ハンドルの登場です。
折れ防止の黒部品の上端は、ハンドルの縫い終わり線の1.5センチ上まで差し込んであります。
この黒部品が本体の表に来るように挟みます。

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きちんと位置が合ったら、全員総出で固定します。
痛そうです。

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きちんとくっついたら、縫いましょう。

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こんな感じです。
黒部品が挟み込まれているお陰で、中央が自然に盛り上がり、見栄えが整います。

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では最後にマグネットを取り付けましょう。
バッグの上端に下穴を開けます。

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付きましたー。これで完成です!

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それでは出来上がり写真を何枚か御覧いただいて、おしまいにしたいと思います。
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それでは失礼致します。長らくお付き合いいただきありがとうございました。
製品ページはコチラです。合わせてご覧ください。
【オーダーで作るイタリアンレザーの手縫いトート】


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