マチたっぷりのがま口

みなさんこんにちは。
朝夕めっきり冷えるようになって、すっかり秋の気配ですね。いかがお過ごしでしょうか??
さてさて、。
先日、ステッチトートの色違い(ダークブラウン)を制作しました。前作につづいてとてもいい革でした。
前作では、同じ革を薄く加工して、マチたっぷりのがま口を制作したので、今回も色違いバージョンを作ってみようと思い、やってみました。
久々に工程をくわしくレポートしますので、ご覧になってみてください。


胴の部分の型紙です。
左が外側の革、右が内側の革のです。
外側のは、胴部分の幅をふくよかな感じにするために、幅を少し膨らませています。

マチのとこの型紙です。
左が外側の、右が内側のです。
外側用はダーツを入れる分、幅広になってます。

外側の革の胴部分を切ります。

マチのとこも切ります。ネコ型です。

裏側を見てください。
縫い代の部分は厚みを減らしてあります。
こうすると縫い目のあたりがすっきりします。でも、あまり減らすとすっきりシャープな感じになってしまい、あたたかみがなくなる(ような感じがする)ので、適度にやっときます。

胴とマチを縫い合わせるときの目印として、切れ込みを入れておきます。
これをやっとかないと、左右がチグハグになって取り返しのつかないことになります。

内側の革は生成りのぶたです。
外側と同様に切って、縫い目のところを薄くして、目印の切れ込みを入れます。

外の革には焼印、内側にはスタンプを押しておきます。
この段階でやっとかないと後では出来ません。

外の革の厚みは、胴部分は1.5ミリ、マチ部分は1ミリに調整してあります。
これは革の厚みを測る道具です。

内側については、0.7ミリくらいにしてあります。

それでは縫いましょう。
外から見えるわけではありませんが、一応、革の色にあった糸にしときます。
工業用ミシンというと、なんかすごい針がズンズン動いてて、すごくうるさいようにおもうかもしれませんが、そんなことはないです。
針は14号を使います。針の造りは家庭用と違いますが、太さを表す号数の表示は家庭用と一緒です。
家庭用の薄手用だと11号なんてのも使いますが、この工業用ミシンだと、一番細くて14号です。

縫いしろの幅を一定に保つためにガイドを調整します。
革の端から3ミリのとこを縫うようにセットします。

こんな感じで縫い始めます。
ガイドをセットしたからといっても、ガードレールのように目安になっているだけなので、手の動かし方によっては左右にぶれます。考え事とかは×です。

ダーツのところに差し掛かりました。
目打ちの先でちょこっと押さえながらクリアします。

ちょっと飛んで、反対側を縫ってる様子です。

縫い終わりました。

ひっくり・・

返すとこのようになります。

ダーツのところはこんな感じに。

内側のぶたも同様に縫っていきます。

縫いあがりました。
ぼーっとしていると、表返しそうになりますが、このままでいいんですよ。

外側と仮止めするために口周りに両面テープを貼ります。
手芸用の両面テープはいろんな幅がそろっていて重宝します。私たちで使うのは、2ミリ、3ミリ、4ミリ、10ミリくらいかな。
蔵前の角田(つのだ。かくたではない)商店さんで買ってます。

外側と仮止めです。

ちゃんと収まりました。

口周りをぐるっと縫います。
今回はステッチの一部が外から見えるので、アクセントになるようにちょっと濃いめの糸にします。
右がさっき使ったの、左が今回使うのです。

ガイドは1.5ミリにしましょう。

こんな感じで縫います。工業用ミシンにはいろんなタイプがあるのですが、このミシンは取り外し式のテーブルがついてるので、外すと、このように製品につっこんで縫うことができます。
バッグの口を縫う時もこんな感じになります。

マチのとこに差し掛かってるところです。

まとまりました。
一般的な感覚だと、「縫いあがった」という表現が適当な気がしますが、バッグの職人さんとかは、このようなタイミングを「まとまった」といいます。

マチの脇っちょのところはあとから見えるので、革の切り口用の塗料でお化粧しておきます。

こんな感じです。
口金に隠れちゃうところは塗りませんー。

口金を付ける準備です。
センターにマジックで印をつけます。

順番逆になりましたが、口金つけで使う道具です。
カッターは関係ないかな。

口金にゴム系のボンドを付けます。
普通、白い水性の手芸用ボンドをつかうのですが、心配性なので、より強力なものをつかってます。
はみ出すとふきとりが大変です。名人芸で狭い幅にきれいにボンドを注入します。(時々はみ出るときもあります;;)

注入し終わったら、ようじでひろげてなじませます。

いよいよ差し込みます。。

こんな感じ。。

はめにくい時は、まごの手のような道具を使って押し込みます。
名前はハメネンっていいます。

一応はまりました。

このあと、紙ひもを押し込んで留めます。
先程のまごの手を使ってぐいぐいとやります。

カドのところは胴とマチとの縫い目が膨らんでる関係で余裕がないので、気合を入れて押し込みます!

終わったら、口金の終わりをつぶします。
普通のペンチでやると口金の外側の丸いとこも一緒につぶしてしまうので、こういう形の道具を使います。
「やっとこ」といいます。

脇をちょっと見てみます。
さっき塗料でお化粧したところがわかるでしょうか?

出来上がりです☆
コロンと可愛くできました。

このがま口の商品ページはコチラです。ご覧になってみてください。

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