イタリアンレザーのバナナバッグのメイキング紹介

こんにちは。
今日は穏やかな天気で過ごしやすいですね。
ちょっと肌寒いかなと思いつつも、工房内で半袖で過ごしています。
やっぱりちょっと寒いかも。。
金曜日からバナナバッグの3回目の制作に取り掛かっています。
ナチュラルセットの制作の現場雰囲気にどんなイメージをお持ちでしょうか?
ゆっくりと、まったりと、穏やかな時の流れの中で・・。というときもあるかしれませんが(笑)、特にバッグの制作の場合、そういうことはありません。緊張&ハイテンションです。
革というと、やはり材料代が高いのでカットや穴あけでの失敗は避けたいですし、縫製においても、布のばあい、生地の荒さによっては、縫い直ししても問題ない場合もありますが、革だと穴が開いてしまうのでやり直しがきかない場合が多いです。
そういったことで、緊張が続くのです。
でも、昨日は結構はかどったので、本日は少し余裕をもってすすめられそうだということで、久しぶりにメイキングをご覧に入れようと思い立ちました。
撮った写真を整理してみると、50枚近くありました。
長いページになりますが、お付き合いください。
◆◆◆
最初の1枚!
??
いくらか形になってますけど、、。そうです昨日こういう段階まで進んでいたのです。
ですので、(メイキングを思い立った)本日はここからがスタートです。
表の革を三日月形にカットして、縫い代にあたる周囲を薄く加工して、ダーツを入れてあります。

フラップをめくると、ファスナーがついてます。
当然、ファスナーを開けるとポケット布が仕込んであります。

裏返すと内ポケットがついて、ダーツが寄せてある内布がセットしてあります。

裏表比較。

これはなんだ?
マチ(底)にベルトが付いた状態です。

バックル部分のアップ。
みなさんバックルでお分かりになると思いますが、業界?では美錠(びじょう)と呼ばれるんですね。
最初に作ったのがよっぽど美しかったんでしょうか?謎です。

裏返すと、こちらにも内布がセットされています。

これはなんだ?
ファスナーのついた天井部分ですね。
みなさんがファスナーをお買いになるときは、15とか30センチとかの決まった長さのものから選ぶと思いますが、洋服やバッグ制作など、デザインに合わせた長さのが欲しい場合、だーっと長いのを買ってきて、好きな長さに切って、スライダーを入れて、両端を金具で留めて、という具合に自分で作るんですよ。

ちょっと開けてみたりして。
向こうからだれか覗いていたらコワイ。

裏返すとこちらにも内布がセットされています。

パーツ全体を俯瞰してみます。
どことどこが縫われるかわかりますか?

それでは縫っていきましょう。
縫い代は7ミリです。

縫い目のピッチは4ミリ間隔としましょう。

最初は胴と天井とを縫い合わせていきます。
ミシンは複数のパーツを挟んで送りながら縫い合わせるので、パーツごとの進み具合に多少ずれが出ます。
そのズレをできるだけ最少にするのと、ズレ具合をコントロールしやすくするために、中央から縫いはじめます。

中央につけた切欠きの目印を合わせて、いざ。

上と下のパーツをちょこちょこひっぱったりしながら、ペースを合わせます。
そろってゴールすることが出来ました。

天井の半分が縫えました。

もう半分も縫ったところ。

表から見てみるとこんな感じ。

革タグがついている方の胴も縫いつけます。

表から見ると。。どろーん。
水族館のエイみたい。。。

天井と両胴がついたので、次にマチを付けて行きます。
今回も真ん中からスタート!

今回は曲線が長いので、中央の目印の他に、二つ目印を付けてあります。

胴のダーツが入れてあるところまで来ました。
中央からダーツまでのところは、胴とマチの縫い合わせの距離を同じにしてありますが、ここから最後まで(ベルトがついているあたりに向かって)は、胴の周囲の辺よりも、マチの辺の方をちょっとだけ長くとってあります。
縫い合わせるのには、微調整が必要になるのですが、こうすることでマチに余裕が出来て、ふっくらと丸い曲線が出せるようになります。その割合は企業秘密。。ってこともないです(笑)片側で5ミリくらいでしょうか。これくらいギャップを付けるだけでも見た目が変わります。

上手くゴールできました。

ちょっと表から確認。。
やっぱりどろーん。
夢がなくなりそうですね。こういう絵は慎んだ方がよさそうです。

それでは反対側の底も縫い合わせます。

両端も閉じて。。

縫い合わせのところをお化粧するためにナイロン製のテープで巻きます。

こんな感じ。

これを今一度ミシンで縫って留めます。
最初は端から7ミリを縫いましたので、少し内側の5ミリくらいで縫いましょう。

縫いあがりました。
縫製工場で量産する場合は、冒頭でご覧に入れた表の革と内布をセットした部品同志を一旦ぬって、テープを巻いて、、といったまどろっこしいことはせず、テープを巻きながら同時に縫う!という道具を使ってバリバリと進めます。
でも、この道具(バインダーといいます)は縫われる材料と、巻くテープそれぞれの厚みと滑りやすさを勘案して、都度都度特注でつくる(1セット2万円から3万円くらい)ものなので、私たちのような超少量生産の場合、このようなまったり手順の方が向きます。

エイッと表返すとこんな感じです。
ボコボコして、起き抜けのような表情。

ここでローラーを取り出し、縫い合わせの部分をしごいてしゃっきりさせます。

シュッとしましたね。

次にファスナーのつまみを作りましょう。
はじっこ革を用意。

切り出して、、

裏と端に色をさして、

平滑に仕上げるための仕上げ剤を塗り、ちょっと磨きます。

こんな感じ。

これに穴をあけて、

小さいカシメを通して仮止めします。

これはなんだ?

こうやってカシメを挟んでぐいっ!と潰す道具です。

つまみが付きました!

ベルトに穴をあけるのを忘れてました。
3センチおきに6つ。計15センチの幅で調節できるようにします。

穴にも色をさしておきましょう。

胴部分についているファスナーにも革のつまみを付けて完成です。

裏はどうかな?

大丈夫ですね(^^)

また、機会をみつけて何かのメイキングをお目にかけたいと思います。
バナナバッグのページはこちらです。よろしければお立ち寄りください~。

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