レザートートバッグ

6月も半ば。
一時は「今年は来ないのかな?」と生まれて初めて心配した梅雨もそろそろ来そうな気配です。
と、天候に絡めた挨拶ではゴマカシきれないほどの筆不精加減。
前回の投稿から一カ月以上も空けてしまいました。。。(+_+)スミマセン。。
一応、制作の方はぼちぼち続けているので、時々アクセスしていただいている方には、辛うじて安否がご確認いただけると思いますが、初めて来ていただいた方には、「ん??」な印象ですよね。
まめにブログを更新なさっていらっしゃるショップさんを尊敬します。。
最近アップした商品のなかで、時々問い合わせをいただくのが、レザートートバッグです。
↓これ。


ナチュラルセットは基本的にシンプル好きなので、こういうのは好みです。
でも、あまりに定番のカタチのままでは面白くないし、やっぱりどこか甘いところを作ってみたくなったりします。(^^;
で、マチの底のところの半円形がソレです。
今回、また気が向いて制作してみています。
上のリンクの商品はこげ茶に染色されたヌメ革を使っていますが、今回は無染色の白いヌメ革でやってみました。

ちょっと寄り道ばなしで・・・
最近、「ヌメ革」、「植物タンニンなめし」なんていうキーワードを良く耳にしますよね。
ヌメ革というのは、動物の原皮をお茶などに含まれるタンニンという天然成分を主原料とした液体の中に付け込んで処理した革です。革の表面が原皮の素のままの状態なので、ナチュラル感が楽しめ、少し硬いものの、加工がしやすいので、広くレザークラフトで使われています。
そして最大の特徴は「使い込むほど、色に深みが増し、味わいが出てきます」っていう、くすぐるアレです(^^;
もう一つのメジャーななめし方に「クロームなめし」というのがあります。これは三価クロムという化学薬品を使ってなめすのですが、これはタンニンなめしよりも柔らかく仕上げることができ、強度も増すため、革を薄くして使うことができるという特徴があります。
ヌメ革はその硬さもあって、すこしカチッとしたトートバッグやショルダーバッグ、お財布、あと、おおきなオートバイのよこのバッグ、バイクの男性のおしりに刺さっているお札より分厚いウォレットなどに向きます。
基本的に色は染料で染めて着色します。わかりやすくいうと薄めたインクで染めるようなイメージなので、もともとの表面の表情は透けて見えます。ナチュラルメイクみたいなものでしょうか(^^)?
対して、クロームなめしの革はその柔らかさと強度を活かして、薄手のファッションバッグやソフトなお財布、パンプス、レザー衣料、帽子、実に様々な用途で使われています。また、タンニンに比べてなめしが短時間で終わるので、その分、総じて安くなります。「ヌメ革製です☆」とうたっている製品がそうでない製品に比べて高いのはそのせいです。
クロームなめしを行うと、革そのものの色はグレイっぽくなります。ですので、ヌメ革のように地が好けるような染料だけでは具合が悪いです。ここは遮蔽(しゃへい)性の高い顔料で着色します。
お芝居やテレビ出演者のメイクに使うドーラン、あるいはコンシーラーのような感じでしょうか。
ナチュラルメイクのヌメ革は手から出る脂や日光の影響で少しずつ色が変化して「味」がでてきたり、使っているうちに柔らかさがでてきたりますが、しっかりメイクのクロームなめし革は色も硬さもほとんど変化しません。
どちらかが絶対優れているというものではなく、製品の用途とか、表現したい風合いとかに応じてチョイスするという感じですね。
で、元に戻って、今回のトートバッグは無染色のヌメ革で作りました。
これです↓

スマイルな内ポケットが一つ、開閉はマグネット式です。
革は写真手前に写っている革包丁という刃物で切ります。縫い穴をあけて、針と糸で縫いあげます。
全部手作業なので、これ一つつくるのに丸二日はかかります。(上手な方はもっと早いかもしれませんケド(^^;;
で、上の方の巻いてある革の写真の色と随分ちがうでしょう?

↓実はこのオイルを塗っているからです。

ニーツフットオイルという製品で、牛のスネから採った脂で、ヌメ革のお手入れには定番です。
お手入れ目的の場合、うっすら塗るだけで足りるのですが、早く深い色合いを出したいときには大量にぬりぬりします。今回もだいぶ塗り込みました。
この段階では脂がしみ込んで色が濃くなっているだけですが、実際に使い始めると、日焼けしたり、手でなでられてツヤがでたりして、いわゆる例の「味」がでてくるというわけです☆
これからもう少しオイルを足したり、飾りを考えたりして商品にしたいと思います♪
r.

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