パスケース

皆さんこんにちは。いかがお過ごしですか?
昨日は春分の日、今日から太陽が出ている時間の方が長くなります。
気候の方もすこしずつ寒さが和らいできているのに加えて、日没時間も遅くなってくると、気分的にも穏やかになってきますね。
さて、お店準備の方、ゆっくりと進んでおります。
壁に造りつけのかざり棚は以前お知らせしましたとおり、出来上がったのですが、移動可能な普通の棚がいくつか欲しいのと、お店には必須のカウンターもまだ;;だったので、古道具系で適当なものをということで、ここしばらくネットで探していました。
しかしながら、なんとなくピンとくるのがなく、らちが明かないので、春分の日の昨日、久しぶりに益子の古道具屋さん2件に出かけてきました。
お邪魔したのはantiques古道具屋さんと仁平古道具店さん。
アンティーク古道具屋さんで掘り出し物を見つけました。棚2本とカウンターです。
掘り出し物といっても、ビックリするほど安い!ってわけではなかったんですが、なかなか見かけない味わいのもので、どちらも明治時代のものということでした。
お店に陳列されている商品を眺めていても思うのですが、昭和のものに比べて、大正や明治のものは、鈍い光を帯びた黒々とした表情を湛えていて、ただ単に古くて味わいがあるなーという域を超えた凄みのようなものを感じます。
潜り抜けてきた時間の長さが違うからでしょうか。
値段もその分、ちょっと高めでしたけど、凄みに敬意を表して購入しました。
来週くらいには届くと思うので、またお目にかけたいと思います。

さてさて、次は制作の方の御紹介です。
長らく、パスケースを切らしたままになっていたのですが、お客様から再販の予定は?とのお問合せをいただいたのを機に少し作りました。
制作の途中で、気が向いたので、写真を細かく撮りました。
分解写真形式でお目にかけることにいたします。。。
まず、パーツを切り出します。
どう組み立てるのか、一見してお分かりですよね。
下段の2枚を貼りあわせて芯にして、上段の2枚が裏表からはさむ恰好になります。

芯になる2枚を合わせるわけですが、ただ貼りあわせるだけだと、合計4枚が合わさることになって、フチがもったりと分厚くなるので、革の裏側の周囲のところを少し薄くしておきます。
(白っぽくなっているところが厚みを減らしてある部分ですよ)

クラフト用ボンドをちゃちゃっと付けて貼りあわせます。

合せたら、ローラーで圧をかけて、よく密着させます。
厚みチェックその1
脇の部分=薄くしてある部分の写真です。

厚みチェックその2
上端の部分=薄くしてない部分です。
厚みの違いがわかりますか?

上端の部分にステッチをかけます。縁から2ミリくらいのところを縫っています。

焼印
表側のポケットのパーツの中央に焼印を押しておきましょう。

それではポケットのパーツの仮止めに移ります。
クラフト用ボンドを付けて、表のポケットを貼ります。

圧着を忘れずに。

裏側も同様に。。

両ポケットが付いたら、表側からミシンをかけていきます。
ポケットの両端の部分は少し力がかかるので、2重にステッチして補強しておきます。

縫いあがった状態です。

革の断面(コバといいます)の仕上げを行いましょう。
トコノールという商品名の仕上げ剤です。雰囲気としては木工用ボンドを薄めたような感じ。塗って浸み込むことで切り口を硬くし、磨き上げたときのツヤを増す作用があるようです。

断面を磨き上げるときは、へんな棒の溝にあてがい、素早く動かしてこすります。

これで完成です。

参考までに。。
今回、革の周囲の厚みを減らしてないのをわざと作って、比較の写真をとってみました。
左が薄くしてないもの、右が薄くしてあるものです。
薄くしてあるぶん、縁の下に空間ができてますね。ほんのちょっとのことなんですが、幾分すっきりした印象になり、握った感じも優しくなるのです。

写真の見た目がほとんど変わらなかったら一大事でした;;よかったです(笑)
一応、商品ページへのリンクも置かせていただきます。よろしかったらご覧ください。。


昨日、3月15日に、第45回目の義援金を振り込んできました。
これまでの累計でティッシュカバーが135個 しおりが38個 コースターが12組で、寄付総額は215,540円となりました。
お買い上げいただいたお客様はこちらでご確認ください。
私たちの義援金商品、機会がありましたらどうぞご利用くださいね。



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