しぶい道具

こんにちは。
皆さんいかがお過ごしですか?
明日から8月。というタイミングで、猛暑をしっかりと覚悟したせいか、たしかに暑いのは暑いけど、そんなにこたえてません。ヘンなものです。
今朝、工房に来る時、途中の公園の木々の木陰やビルの陰で、とてもやわらかで涼しい風を感じました。
まっすぐな日差しがさしこむ日なたで照らされ、日陰に癒され、また照らされ、癒され。
こういう繰返し、好きです。
なぜだか昔から、海水と淡水が交わり合う「汽水域」に暮らす汽水魚にあこがれがあります。隣り合った二つの水(空気)のちょうど狭間にとどまってみたり、どちらか片方に立ち入ってみたり、気分次第で自由に泳ぐ感覚。
日なたと木陰の繰返しで汽水魚感覚の疑似体験をしてる気分を味わいました。
さて、本題に入ります~。
昨日、というか、昨晩。新しい道具を買いました。
正確には買い替えです。
では、買い替え前の道具の写真をお目にかけます。
これです。

何に使うものかと言いますと、、

このように、革を手縫いするときに、針を通す下穴をあけるのに使う道具で、開いた穴が菱型になるところから菱目打ち(ひしめうち)と呼ばれます。
で、買い換えたのがこちらです。

なんかしぶい感じしませんか?カタチが随分ちがいますよ。
買い替え前のものも当然ちゃんとした製品なんですよ;;
でも、職人さんが赤い鉄をたたいて作る手作りの菱目打ちに憧れていて、一度使ってみたいと思っていたので、奮発してみたのです。
試しにハギレの革で穴の開けくらべをしてみましたら、かるくたたくだけでスッと革に入っていきます。
すごい!たたき込む感じじゃなく、スッと。(くどい!)
クローズアップで比べてみると、刃先のカタチが少し違いますね。

機械の方は先っちょの頂点から3ミリくらいの間で一気に太くなって、そのまま根本まで同じ太さですが、
てづくりの方は頂点から根本にかけてゆっくりゆっくり太くなっていってます。
さきっちょだけで穴があいてしまう薄い革の場合は大差ないのですが、トートに使うような比較的厚手の革を2枚重ねてドンとやってみたら、前の道具であればうんしょうんしょと引っこ抜く感じだったものが、スッ。と抜けたのでじわんと感動しました。(T_T)
折角だからお店の紹介もしておきましょう。
菱目打ちのモチテのところを見てみると・・・

「いわたや」と書いてあります。
これは革関係の道具屋さんの老舗として有名な岩田屋工具店さんのマークです。
以前、パスケースのパーツの抜き型をオーダーで作っていただいたことがあったのですが、そのすばらしい出来栄えに感動したので、手作りの菱目打ちを買うときは是非岩田屋さんで。と決めていたのでした。
ナチュラルセットのサイトに遊びに来ていただく皆さんがお買いものをすることはまずないと思いますけど(^^;、こういう職人さんの手仕事のおかげで、レザークラフト製品がつくられるってこと。よかったら覚えておいてくださいね。
岩田屋さんのサイトはこちらです。野球のボールの革を抜く抜き型などが紹介されてます。面白いですよ^^


今回、いよいよ菱目打ちを買うか。と思い立ったのには理由があります。
実は近いうちに、おもいっきり上質のタンニンなめしの革でトートバッグを作ってみようかなと思っているのです。
日本のタンニンなめしの革では最上級といわれている有名な会社さんが栃木県にあるのですが、そこの革を使って作ってみようと思っています。
革代は相当高いものになりそうですが、できるだけ値段は抑えめでいけるように工夫してみたいと思います。
今日はとっても長いブログになっちゃいました。
最後までお付き合いくださってありがとうございます。
r.

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