ペンケースの型紙

皆さんこんにちは。
今日の東京は昨日より少し暖か、小雨が降っています。
今週はロールペンケースやキーポーチで使っている革(の追加注文した分)が納品される予定でした。
ま、火曜日がその予定日だったのですが、出来栄えがサンプルとそれなりにズレていたので、加工をやり直してもらうために持ち帰ってもらいました。

皆さんは革の仕入についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
素材を仕入れる、という点でいうと、様々な色や質感をもった紙であるとか、布だとか、その辺に近いイメージでしょうか?

革というのはですね。基本的に「こういうのを作ってください」ってお願いして作ってもらうものなのです。
なめしの方法によって、タンニンなめし革、クロームなめしの革、両方のなめしでやった革(俗にコンビなめしなんていいますが)の大きく3つに分かれますが、その先、オイルを入れる入れない、色付けもなめしの過程で染料をいれて染めるのか、後工程で顔料を塗るのか、表面をつるつるにするのか、マットか等々、様々に加工できてしまうので、規格通りに作っておいて切り売り。みたいなことはやらないんですね。

とはいえ、毎度毎度メーカー(なめし屋さん)に折衝して作ってもらうのでははかどりませんから、毎年の流行に合わせて、サンプルみたいなものが用意されていたりします。
それをみながら、これを何枚くらいください。みたいにお願いすることになります。
でもですね。サンプルで選ぶといっても、サンプルと全く同じものが予め大量に作り置きされているわけではなく、サンプルはあくまでサンプルで、販売用の革は需要を見ながら、あるいは注文の都度、なめして作るんです。
バブルの頃や、革製品の需要がものすごかった昭和の頃などは、どんだけ作っても売れるゼイ!ということでバンバン作り置きしたらしいのですが、今はヘタに在庫が残ってしまっては一大事ですので、注文に応じて作るスタイルが主流になっているようです。

で、冒頭のロールペンケース革についても、在庫がほとんどなくなってしまったので、リピートでお願いすることになり、確か10月の頭ころに注文しました。
これについても、上述のとおり、最後に残っていたA3サイズほどのサンプルを先方に渡して作ってもらうことになります。(一応、レシピめいたものはあるみたいなのですが、サンプルがある場合はできるだけそれに近づけるということで、現物サンプルを見ながら工程を組み立てるのです)
それでやっと話が元に戻るのですが、結局のところ、なかなかサンプル通りに出来上がらないものなんですよ。
時には全然違うじゃないですか~~。みたいなこともあるんです。
でも、なんていうか、商慣行っていうんでしょうか、基本的に全部返品!なんてのはできなくて、シブシブ引き取ることになるんですね。

このブログをご覧の皆さんの多くは、サンプル通りでないのに引き取るなんて全く理解できない!だろうと思うのですが、金額はそれなりのものでもあり、おいそれと返品に応じる訳にはいかないのと、業者さんの数も少なく、競争がし烈ではないのも理由の一つのようです。

で今回、一旦納品された革は、オイルの入り方が少ないのが主な不足点だったので、後工程をやり直すことでなんとかなりそうでした。よって、一旦お返しして、再度納品を待つことにしました。(というか、シブシブ・・なんて選択肢は私にはありません)
革が入荷したら、ご注文いただいているロールペンケースの制作を再開しますが、リクエストもあって、今回、ポケットタイプのも作ってみようと思っています。
なかなかバタバタして手を付けられずにいたのですが、今日はその型紙をつくってみました。
サンプル制作用のマットなヌバックの革で試作したので、イメージがちょっと違いますが、見てみてくださいね。
さて、まず型紙に沿って切り出します。


上端が変わったカタチになっています。

裏側のようす。上端は折り返すので薄く、両脇のマチが自然に折れ曲がる様に、溝を掘っておきます。

両面テープで折り曲げて仮止めします。

ミシンで縫ったところ

表から見るとこう。

両マチを縫ったところです。

口の方からview。

マチの部分のカットは下の方に行くにつれて軽くラウンドさせてあるので、底部分の立ち上がりが軟らかい感じになっている(つもり)

あと、口の直線部分は折り返して厚みをつけ、なんというか「骨」がわりにしているので、直線部分とマチ部分の境目がはっきりしています。

フラップをたたんで表から見たところ。

裏から

くるくる巻きつける革ひもの準備。
このヒモの質感も難しいんです。結局、ステッチトートにつかっているかなり高~~い革が強さとしなやかさの点でよいということで、使っています。
まず切って、、

オイルなどで仕上げます。

アンティーク色の小さなカシメで直に留めてみます。(つよくカシメ過ぎたのでつぶれ気味になっています。また、フリーハンドだったので多少曲がっています。あまりしっかり見ないでください。)

先の方はツノをつけて。

入れテストその1


結構入りますね。


入れテストその2

少な目の場合、本体部分も一緒に巻いてコンパクトに仕舞えますね。

一応、型紙はこれでよいかなという感じ。
本番の革でやるとどんな雰囲気になるでしょう。楽しみです。
それでは失礼いたしますm(_ _)m

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