はちみつパスケースのメイキング

皆さんこんにちは。
昨日の荒天に続いて、今日は好天。好転?
日差しがずいぶん明るいですね。真夏日予想のようなので、熱中症にかからないように気をつけないといけませんね。

さて、今日はお店営業日。
お店を開けつつ、はちみつパスケースを作っています。

ネットのはるかどこか?で話題にして頂いているのか、なんだかわかりませんが、ここ最近、ネット経由での注文が続いています。
以前、ロールペンケースもそんな「トレンド」に乗ったことがあり、ネット特有の波なのかなぁなどと、頭の中の収まりが良いように解釈しています。

パスケースの製作の話ですが、昨日、革の裏処理、型抜き、刻印、貼り合わせ。と済ませ、本日、縫製、コバ(断面)削り、つやだし。と進めました。

これは昨日、革の裏処理をしているところです。革はイタリアのタンニンなめしです。
材料の革の裏のケバを抑えるのと、幾分硬さを出すために、仕上げ材を塗りこんでいます。
仮に「仕上げ材」としましたが、製作者の好みによって何種類かあるようです。
「トコノール」という、主にコバ(革の断面)の仕上げに使うクリーム状の仕上げ材を使う方もいますし、CNC(だったかな)という粉末を溶かして塗るパターンも有ります。

今回、私は革の繊維のつまり具合からして、少しハリを補ったほうがいいだろうと判断したので、洗濯のりを使っています。今は、小規模の量販店では見かけないと思いますが、Yシャツをすすいだ後にのりづけするときに使うアレです。
これを少し薄めて、革の3分の1くらいまで浸透させるような気持ちで刷り込み、よく乾かします。
すると、グッとハリが出てきます。

DSC_9846

 

よくかわいたら、型を使って抜きます。
お分かりの通り、左は芯になる部分で、中央のと右側のとで挟み込む格好になります。
写真は省きましたが、中央と右側の上端部分は、縫い付けてしまってからだと磨けないので、この段階で磨いております。

DSC_9872

3枚の端っこをクラフト用ボンド(白い木工用ボンドのようなのです)で貼りあわせ、ミシンで縫っていきます。
先日購入した三菱の旧式ミシンとの呼吸が合ってきて、かなり調子がよいので、気分もかなり良いです。

DSC_9850

縫い終わったところです。縫い始めと終わりの糸がついたままですね。DSC_9852

 

糸ははさみでチョキンとやっただけだと、ほつれてきますので、半田ゴテで焼いて切ります。
こうしますと、化繊でできた糸の端っこが軽く溶けて、硬さが出るので、抜けにくくなるのです。

 

 

 

DSC_9854

この後、コバを紙やすりで平にします。
平らにすると言っても、キレイに合わせて貼りあわせてあるので、この段階で激しくデコボコしちゃってるわけではありません。
あくまでも面をならして、この後の磨き→仕上げを美しく仕上げるための準備です。

DSC_9856

ならしたところに、仕上げ材(トコノール)を塗ります。
DSC_9860

その後、磨いていきます。
磨くにもタイミングがあり、ヌラヌラと濡れている時にこすっても、トコノールがあっち行ってこっち行って、、となるだけですのでダメです。ヌラヌラしているときは、さらに指で擦って、コバに浸透させ&水分を飛ばし、ちょっと湿ってるかな?くらいのところまで調整してから擦り始めます。

DSC_9862

棒で磨いて一応艶が出たら、もう一度トコノール→磨き。と繰り返し、より深いツヤを得ます。
ツヤ命!でいく場合は、磨いた後、一旦、目の細かい紙やすりをかけて、さらに面をならしてから、もう一度トコノール→磨きという手順を採ります。(ただ、あまりツヤが出すぎるのもナンなので、ナチュラルセットではそこまではしてません)

磨き仕上げが終わった後、軽くコバ仕上げ用のロウを塗ると、よりしっとりしたツヤになるようです。
このロウはクツの手入れ用品として販売されているもので、コロンブスというメーカーのです。

DSC_9865

最後に周りをローラーで抑えて、仕上げます。
まあ、抑えたからといってなにかが特別変わるというわけではないのですが、半分儀式的というか、念をいれるような気分です。

DSC_9864

出来上がりました。
なめしに使われているケブラッチョの香りが甘くていい感じです。

DSC_9867
さて、それでは失礼致します。
このはちみつパスケースのページはコチラです。よろしかったらどうぞ

カテゴリー: メイキング紹介, 製品別:コモノ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク