ヌメ革のこものづくり

こんにちは。
今日はとくに変わった話題はないんですけれど。。
また、チビ蛇腹を作っています。
最近、時折注文をいただいていますm(_ _)m
皆さんはこういう小物の制作のロット(数)について、どんなイメージをお持ちなんでしょう。
手作り製品とはいっても、やはり一度に10個とか20個とか、まとめてつくるようなイメージですか?
他のショップさんのやり方は存じ上げないんですけれど、ナチュラルセットでは、一度に作る小物の数って、せいぜい3個くらいなんです。
こういうチビだと、気合を入れれば、多分、一日かけて10個とかつくることもできそうですけども、3個くらいです。
革製品(特にヌメ革)って、人が使って、日々手に触れたりしていると、適度に手の脂が伝わるのでいつまでもゴキゲンなんですけど、ほったらかしにしてると、いつのまにか脂気が飛んだ感じっていうんでしょうか、カサカサしたり、梅雨の季節だとカビが生えたりして、、ちょっと生鮮品みたいなところがあるのです。
販売前も同じこと。だから作り置きってあまり気が進まないんです。
というわけで、今日も3個です。

革の下処理のときに、粘度の低いオイルを浸み込ませてあるんですけど、組み立てる前に、粘度の高いオイルをもういちどぬりぬりしてしっとり感をアップさせたりなんかして、、適当に気を遣いながらやってます。
やっぱりかわいいです。ナチュラルセットの商品の中で3本の指に入るかな☆

r.

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ちょっといいレザートート試作

今日も工房周辺は静かです。
セブンイレブンへの道には今日も・・。
猛暑日寸前の日差しをさけて、クルマの下でのんびりしています。
今日はちょっとごきげんのようす。

手でちょっかいをだしてみると、しゃしゃっと右前足を繰り出してきました。

若干目つきが悪いんですが、一応癒されます。


さて、ちょっと前から計画していた「最高級のタンニンなめし革でつくるトートバッグ」
これ用にお願いしていた革が先日届きました。
いつもお世話になっている革屋さんに無理をお願いして、仕入れ先の問屋さんに出向かせてもらって、自分の目で選ばせてもらった革です。
日本のタンニンなめし革では最高とされる栃木レザー株式会社のとくべついいやつです。値段もいいっ(>_<);; そのままではちょっと厚いので、少し薄くしてもらって、革屋さんのところに納品してもらったのでした。 早速広げてみます!うーん。すばらしい。 左側がおしり、右側が頭、右半身ですね。大人の牛なので結構大きく、2メートル以上あります。 照明は適当なので、ちょっとくすんで見えますが、こんがりときれいなキャメル色です。
香りもすばらしい。うまく表現できないんですが、皆さんが想像なさるような一般的な革の匂いをもっとキリッとさせた感じで、胸がすーっとするようなすがすがしい香りがします。。。
真ん中に折り目がよっているのでくたっと柔らかいのかな?と思われるかもしれませんが、デカイから自重でこうなっているだけで、トート用にちょうどよい厚さ・硬さです。
早速!記念すべき第一号を作ってみます。。
まず、半分にバッサリ。

さらに半分に。

門外不出の?型紙をあてて線を引いて、パーツを切り出します。

これはベルトを貼り合わせているところ。

先日買った菱目打ちで縫い穴を開けます。ほんとに使いやすいです☆

一通り穴を開け終わりました。

胴の内側にポケットを仮止めします。

これは手縫い用の生成りの麻糸です。
糸の両端に針をセットします。

早速縫ってみましょう。

ポケットが付きました。

胴を縫い合わせて、アクセントの半円の底マチも立ち上げて。。

ハンドルを縫って。。

本体に取り付けて出来上がり☆

それではちゃんと照明を整えて撮影してみましょう。。

さすがに日本最高級のタンニンなめし革だけはあります。自分ではみなれたデザインですけど、なんだか存在感が全然違うように感じます。
キャメルに染色されただけで、とくに表面の加工はしてないナチュラルな仕上げなので、風合いがとってもいいです。そして元の革のグレードがいいんですね、傷も少なくて、とてもきれいです。
タンニンなめしの最大の楽しみは使い込むにつれて深みを増す色ですよね。
ちょっとキレイに出来ちゃってますけども、大事大事にしないで、ガンガンつかって変化を楽しみたいですね☆
いい材料で制作すると特別気持ちがいいです。
これから値段を考えないといけないですね。
革の質が最高なだけに材料代が高い(>_<)のと、頑張っても一日一個しかできないのとで、ちょっと高めにはなっちゃいそうですが、きっと満足していただけると思います☆ 近日中にアップしてみますので楽しみにしててくださいね☆

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お手入れクリーム

こんにちは。
皆さんお盆を満喫してますか?
帰省したり、遊びに行ったり、きっと満喫なさっているんでしょうね。
だって、東京(神田のあたり)はだーれも歩いてませんもの^m^
セブンイレブンにお昼を買いに行きましたが、途中あったのはいつも定位置にいるこの子だけでした。

さて、お盆と全然関係ないお話し。
革のお手入れ製品の話です。
皆さんはどんなものをお使いでしょう。。
相手が靴っていうことになると、汚れ落としのクリ―ムと、無色の、あるいは靴の色に合った色のついたクリームあたりでしょうか。
でもクリーナーって一応あるけどつかったことない。って方はかなりいるんじゃないですか?
いざ、かばん用ってことになると、クリーナーもクリームもないよ~。って方が大多数じゃないでしょうか^^;
私はそんなにマメな方ではないので、手入れクリームってあれこれとたくさん試したことはないのですが、あんまりしっくりくるのにであったことはなかったんです。
特に油分や潤いを与えるために使う無色のクリームです。
タンニンなめしの革にオイルをどーんと浸み込ませて!ってことは日常的にやってますが、これはダークな色合いを出すという表現のためにやっていること。
そういうんじゃなく、単に潤いを与えたいと思った場合です。
一般的にはグローブに塗るような「保革油」があります。ミンクオイルなんかもそうですね。
でも、(製品に依るとは思いますが)大なり小なり、「油を塗ったな」という感じになりますよね。油分がしみ込んですこし色が濃くなったり、あるいはテラっとした照りがでたり、まずいパターンだとべたついたり。。
ドイツ製のラナパーってのはちょっといいかもな~と思って使ったりしてますが、もっと塗ってない感。ナチュラル感が欲しいなと思っていたんです。
で、知り合いのレザークラフトの先生に教えてもらったのがコレ!

Mモゥブレイっていうんです。モーブレイじゃないですよ。モゥブレイ。
実は背景に写っているふだんぎトートバッグに結構塗りこんだんですけども、全然ナチュラルなままなんです。
このふだんぎに使ってる革は、顔料で着色したりといった加工をしてないナチュラルな仕上げなので、あぶらあぶらしたものを塗ると風合いが変わっちゃうんです。
でも今回試してみたら、潤いが増した分、ちょっぴり鮮やかになったくらいで、風合いが損なわれることが無かったので、すごく気に入りました。
これ、油じゃないんですね。ジェルみたいなものなんです。
ドクターシーラボみたいな。

この性状のおかげで、スーッとなじんでテカらない、ベタつかない。いい感じになってるんでしょうね。
箱を見るとイタリア製だそうです。
60ミリリットル入りで840円。東急ハンズで買いました。
風合いを変えたくないナチュラル革の手入れでなにかないかな~って時があったら試してみてくださいね☆

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しぶい道具

こんにちは。
皆さんいかがお過ごしですか?
明日から8月。というタイミングで、猛暑をしっかりと覚悟したせいか、たしかに暑いのは暑いけど、そんなにこたえてません。ヘンなものです。
今朝、工房に来る時、途中の公園の木々の木陰やビルの陰で、とてもやわらかで涼しい風を感じました。
まっすぐな日差しがさしこむ日なたで照らされ、日陰に癒され、また照らされ、癒され。
こういう繰返し、好きです。
なぜだか昔から、海水と淡水が交わり合う「汽水域」に暮らす汽水魚にあこがれがあります。隣り合った二つの水(空気)のちょうど狭間にとどまってみたり、どちらか片方に立ち入ってみたり、気分次第で自由に泳ぐ感覚。
日なたと木陰の繰返しで汽水魚感覚の疑似体験をしてる気分を味わいました。
さて、本題に入ります~。
昨日、というか、昨晩。新しい道具を買いました。
正確には買い替えです。
では、買い替え前の道具の写真をお目にかけます。
これです。

何に使うものかと言いますと、、

このように、革を手縫いするときに、針を通す下穴をあけるのに使う道具で、開いた穴が菱型になるところから菱目打ち(ひしめうち)と呼ばれます。
で、買い換えたのがこちらです。

なんかしぶい感じしませんか?カタチが随分ちがいますよ。
買い替え前のものも当然ちゃんとした製品なんですよ;;
でも、職人さんが赤い鉄をたたいて作る手作りの菱目打ちに憧れていて、一度使ってみたいと思っていたので、奮発してみたのです。
試しにハギレの革で穴の開けくらべをしてみましたら、かるくたたくだけでスッと革に入っていきます。
すごい!たたき込む感じじゃなく、スッと。(くどい!)
クローズアップで比べてみると、刃先のカタチが少し違いますね。

機械の方は先っちょの頂点から3ミリくらいの間で一気に太くなって、そのまま根本まで同じ太さですが、
てづくりの方は頂点から根本にかけてゆっくりゆっくり太くなっていってます。
さきっちょだけで穴があいてしまう薄い革の場合は大差ないのですが、トートに使うような比較的厚手の革を2枚重ねてドンとやってみたら、前の道具であればうんしょうんしょと引っこ抜く感じだったものが、スッ。と抜けたのでじわんと感動しました。(T_T)
折角だからお店の紹介もしておきましょう。
菱目打ちのモチテのところを見てみると・・・

「いわたや」と書いてあります。
これは革関係の道具屋さんの老舗として有名な岩田屋工具店さんのマークです。
以前、パスケースのパーツの抜き型をオーダーで作っていただいたことがあったのですが、そのすばらしい出来栄えに感動したので、手作りの菱目打ちを買うときは是非岩田屋さんで。と決めていたのでした。
ナチュラルセットのサイトに遊びに来ていただく皆さんがお買いものをすることはまずないと思いますけど(^^;、こういう職人さんの手仕事のおかげで、レザークラフト製品がつくられるってこと。よかったら覚えておいてくださいね。
岩田屋さんのサイトはこちらです。野球のボールの革を抜く抜き型などが紹介されてます。面白いですよ^^


今回、いよいよ菱目打ちを買うか。と思い立ったのには理由があります。
実は近いうちに、おもいっきり上質のタンニンなめしの革でトートバッグを作ってみようかなと思っているのです。
日本のタンニンなめしの革では最上級といわれている有名な会社さんが栃木県にあるのですが、そこの革を使って作ってみようと思っています。
革代は相当高いものになりそうですが、できるだけ値段は抑えめでいけるように工夫してみたいと思います。
今日はとっても長いブログになっちゃいました。
最後までお付き合いくださってありがとうございます。
r.

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キーホルダータイプ

皆さんこんにちは。
お元気でお過ごしでしょうか?
8月に入りました。これから猛暑日が続くそうです。
もう十分だよ~(>_<)という感じですが、7月より過ごしやすい8月なんてありえないですものね、しょうがない。 目線を涼しげな9月10月において、なんとかしのぎましょう。。 この暑さのせい、といえばそうなのかもしれませんが、大作に挑む気合がちょっと出てこないですね。。ついつい小物や既存の製品のリニューアルなんかに目が向いてしまいます。 でもね。涼しくなってさわやかになればまたもりもり作れるんだから、こういうときはぼちぼち過ごすのがいいんですよ♪きっと^^; というわけで、以前からちょっとやってみたかったいたずらをしてみました。

これです~


首から下げるタイプだけだったチビのキーホルダータイプです。雰囲気を合わせて、アンティークタイプの金具を合わせました。
キーホルダーとしての使用のほか、バッグなどについている輪っか状の金具に留めてぶら下げてもかわいいかもしれません。
あと、ナチュラル好きな皆さんにはあんまりないパターンかもですけど、でっかいケータイストラップにしてみたい!って勇気な方がいらしたら、加工もしますよ~^^;
よかったらお店の方へどうぞ。

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プライベートブランドでなごむ

暑いですね(+_+)
昨日からレザートートを縫っていたのですが、ちょっと気分転換を兼ねて、さっき、封筒と便箋を買いに、秋葉原の無印良品まで自転車で出かけました。
汗を出して、自然に体温を調節する余裕を与えずに、一気に頭の温度が上がっていく感覚を覚えました(>_<) こういうの初めてです。キ・ケ・ン~。 この暑い夏。私のお気に入りは、セブンイレブンで売っているセブンプレミアムというプライベートブランドの炭酸水(レモン)です。 甘いジュースはどちらかというとニガテで、無糖の炭酸水って結構好きなんですけど、一般的なものだと500ミリリットル入りでだいたい150円弱するので、そこへもってきてこれは88円!助かります。 パッケージデザインはおもいっきりプライベートブランドなので、オシャレ感に難はありますけど(^^;、強めの泡立ちも、レモンの香りもいい具合で、おうちや仕事場で飲むには最高です♪ネットで見たら、密かな人気商品らしいですよ。まだの方がいらっしゃったら試してみてくださいね☆ そして、時々買ってしまうのが、同じくセブンプレミアムの「厚切りバウム」です。 暑さ2.5センチ、長さ7センチくらいにカットされたバウムクーヘンが10個入って298円。 バウムクーヘンだな。と実感できるしっとり目で甘すぎない、たまご感のある生地をほうばると、疲れが和らぎます。 追っかけて例の炭酸水をゴクゴクやると、バウムの甘さが炭酸水でキリッとクリアされて、心地よいです。 モグモグ→ゴクゴクのリズムは、なんだか小学生のときのおやつの充実感を思い起こさせてくれるような気も(^^)
なんだかとりとめがないですけど、どこか素朴な満足感を覚える(かもしれない)この組み合わせ、試してみてくださいね♪

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ちっちゃくつくる

暑中お見舞い申し上げます~
あ・つ・い・ですね~~~
ネットでお天気データを見てみると、今日の東京都心は12時で33℃ってことになってるようですが、体感的にはそんなもんじゃないです(+_+)~
どうかこまめに涼をとって、水分&塩分補給をして身体をいたわってくださいね(^^)
三連休。
どこかへ出かけたい気もしてたんですが、やっぱしこの暑さだし、やめとこ。
さわやかに北欧みたいな涼しげイメージの帆布のトートバッグでも作ろうかな♪くっきりした青プリントとか入れて☆なんて思い描きながら、工房で一息ついていると、、先日頼んでいたレザートートバッグ用の革の用意ができたよと革屋さんから電話。
複数枚あるうちから選ばせてくれるので、すぐ行かないと悪いです。
早速自転車ででかけて、見せてもらいました。こげ茶のタンニンなめしの革です。以前使ったものと同じロットの在庫を出してくれたので、ささっとチェックして2枚購入。お礼もそこそこに工房へ。
で、帆布を手に取ると、、、あらら?革をいじったり嗅いだりしたせいか、いつのまにやら革を切ったり縫ったりしたいモードに切り替わっています(^^;
気分がくるくる変わるのはあんまりいいことじゃないなぁ。と最近反省してるのですが、いまの気分と違うことしてもいいものは出来ないしな。ってことで、レザートートつくりに変更です(^O^)/
で、例のこのタイプを作ろうかなと型紙を眺めていますと、、

なんか変わったことしたいキブンに。。


私たち的にはロングセラー商品のコレ↓を、、、


こう↓しちゃったように


これ↓も








こうしてみよっかなっ♪♪


ステッチは大きいサイズよりも逆にデカくして元気な感じに。留めるとこも、背が低くてもマチはいっちょまえの分、マグネットだとちょっとツレちゃうので、革ひもと革のボタンで留めるようにして。なんて遊んでみてます(^^)
ちょっとそこまでってときとか、リゾート先とかでちょこっと持つにはかわいくていいんじゃないかな?って思います。
ちいさいのってかわいくて好きです♪みなさんはどうですか?
r.

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レザーバッグ作ってみました

皆さんこんにちは。
日本全国連日雨ですね。
先日の東京レザーフェア(TLF)で見た魅力的なイタリア革の感動の余韻が続いているのですが、どうも全く同じものは値段と量の都合で手に入れられなそうです。。
ということで、いつもお世話になっている革屋さんに似た感じのものを・・とお願いしていたんですが、「ちょっと見てみませんか?」との電話。
「お!すぐ行きます~」
で、これです☆
ちなみに右側は先日のレザーフェアでジローラモ氏にもらったかぐわしいサンプル(笑)

ぱっと見イケてますよね!?
ではちょっとアップで。。

染色の感じは結構近いです。
ただ、ジローラモ革はタンニンなめし+ちょっとクロームなめし(多分)+独特の獣脂で強烈な存在感と香りを出しまくっているのに対して、今回のはタンニン+クローム+一般的なオイルでの仕上げなので、質感は結構近いものの、香りまで含めたトータルな実感としては、ちょびっとおとなしい感じでしょうか。
で、なにつくろう。。となったわけですが。。
結構小心なので、革を欲しい欲しいと騒いでいるうちは元気なものの、いざ手にしてみると妙に神妙におとなしく。。なにがベストか??あたまがぐるぐるしてしまいます。
そんな時は黙って目をつぶってなにか頭に浮かんでくるのを待ってみるのが最近の好みです。
・ななめがけ。・・これが最初に「降りて」きました^^;
・一枚革のようなシンプルさ。・・・ふんふん
・ちょっと冒険な感じ。・・・ざっくり麻があったなぁ
・太めのベルト。・・・掛けやすくてよさそう
・チャック式。・・・うう。いつも苦労する
とこんなイメージが頭をいったりきたりして、飛び出て来たのがこれです☆

どうでしょうか?
頭の中では、途中まで縦長だったんですが、革を切るギリギリのところで、やっぱしヨコ長☆と変更になっちゃいました^^;ハンドメイドならではです。
タンニンベースのなめしなので少し素朴な風合いがあって、どっしり感があって、それでいてクロームなめしも入ってるので、結構ソフトで、いい感じです。
あと、しっとりした質感のおかげで肩のベルトがなんともしっくりしていい感じです☆
またいい革をみつけて楽しく創作したいと思います♪
r.

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東京レザーフェア

東京レザーフェア
みなさんこんにちは。
梅雨もやってきて、雨もたっぷり。
近くに咲いている紫陽花が気持ちよさそうに日々大きくなっていきます。
皆さんの近くにも紫陽花、咲いているでしょうか?
さて、出不精の私が久しぶりに催しに行ってきました。
タイトルは「東京レザーフェア」です。
先日知り合いになった蔵前のバッグやさんの社長さんに教えていただいて、自転車で出かけました。
国内の革産業のトレンドがわかる催しで、毎年1月と6月に行われているそうです。
今回で第82回ということですから、40年近い歴史があるのでしょうか。
会場は東京の革関係の業者さんが多く集まる浅草にある、都立産業貿易センター台東館。大きな建物です。4フロアを借り切っています。
デザイン関係の専門学校21校の代表が作品を競う「学生創作展コンテスト」や、
「レザーファッションショー」、トレンド素材を解説してくれる「T.L.F トレンドセレクション」などの企画が最上階で行われ、日本全国の革のなめし屋さん(タンナーともいいます)や流通業者さんが自社取扱の革を並べているブースが他3フロアを埋めつくしています。
企画催しもチラチラ見て楽しみましたが、興味は3フロアを埋めつくす革屋さんや材料屋さんのブースです。
東は東京、西は兵庫に革のなめし屋さんが多いこともあり、東京で1フロア、関西で1フロア、その他で1フロアみたいな感じでした。(微妙に違ってるかもしれません;;)
全体を眺めてみると、オーソドックスなヌメ革やスタイリッシュできれいに色づけされた様々なクローム革も多数ありますが、最近のナチュラルの流行を受けてでしょう、タンニンなめしで、表面を均質に仕上げていない自然な感じのする革が意識されているようでした。
私たちの好きなタイプの革です☆
で、今回、いちばんどきどきしたのは、イタリアのタンナーのブースです。
イタリアの革というと、しなやかに柔らかくなめされた、比較的薄手の革のイメージがあるのではないでしょうか?
もちろん、そういったのもありますが、もろに革そのものみたいな仕上げのものも多くあるのです。
で、あるブースで釘付けになったのがこの革♪

おいしそうな肉みたいです(^^;
2ミリ強の厚みがあるのですが、意外と柔らかく、また獣脂(じゅうし)でなめされているので、独特な香り(香ばしいすごくいいにおい!)がします。
私たちで過去に使った革でいうと・・・・

これなんかと同じ匂いがします。
獣脂を入れてなめすをするのはイタリアが多いそうです。
この革、私たちの工房で撮影しているということは、、そうです。
あまりにじろじろみていたら、本当にジローラモさんに似た(そんなにチョイ悪じゃなかったですが^^;)ブースの方が「サンプルいりますか?」と英語で聞いてくれたので、お願いしてもらってきたのです。
革にくっついてるのは彼の名刺です☆国内の輸入元の会社さんの連絡先も教えてくれました。
多分、激しく高くて使えなそうですけど、機会があれば!と思ってます。
いろいろ見て回るのって、楽しいし、勉強になるのでいいですね(^^)
r.

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レザートートバッグ

6月も半ば。
一時は「今年は来ないのかな?」と生まれて初めて心配した梅雨もそろそろ来そうな気配です。
と、天候に絡めた挨拶ではゴマカシきれないほどの筆不精加減。
前回の投稿から一カ月以上も空けてしまいました。。。(+_+)スミマセン。。
一応、制作の方はぼちぼち続けているので、時々アクセスしていただいている方には、辛うじて安否がご確認いただけると思いますが、初めて来ていただいた方には、「ん??」な印象ですよね。
まめにブログを更新なさっていらっしゃるショップさんを尊敬します。。
最近アップした商品のなかで、時々問い合わせをいただくのが、レザートートバッグです。
↓これ。


ナチュラルセットは基本的にシンプル好きなので、こういうのは好みです。
でも、あまりに定番のカタチのままでは面白くないし、やっぱりどこか甘いところを作ってみたくなったりします。(^^;
で、マチの底のところの半円形がソレです。
今回、また気が向いて制作してみています。
上のリンクの商品はこげ茶に染色されたヌメ革を使っていますが、今回は無染色の白いヌメ革でやってみました。

ちょっと寄り道ばなしで・・・
最近、「ヌメ革」、「植物タンニンなめし」なんていうキーワードを良く耳にしますよね。
ヌメ革というのは、動物の原皮をお茶などに含まれるタンニンという天然成分を主原料とした液体の中に付け込んで処理した革です。革の表面が原皮の素のままの状態なので、ナチュラル感が楽しめ、少し硬いものの、加工がしやすいので、広くレザークラフトで使われています。
そして最大の特徴は「使い込むほど、色に深みが増し、味わいが出てきます」っていう、くすぐるアレです(^^;
もう一つのメジャーななめし方に「クロームなめし」というのがあります。これは三価クロムという化学薬品を使ってなめすのですが、これはタンニンなめしよりも柔らかく仕上げることができ、強度も増すため、革を薄くして使うことができるという特徴があります。
ヌメ革はその硬さもあって、すこしカチッとしたトートバッグやショルダーバッグ、お財布、あと、おおきなオートバイのよこのバッグ、バイクの男性のおしりに刺さっているお札より分厚いウォレットなどに向きます。
基本的に色は染料で染めて着色します。わかりやすくいうと薄めたインクで染めるようなイメージなので、もともとの表面の表情は透けて見えます。ナチュラルメイクみたいなものでしょうか(^^)?
対して、クロームなめしの革はその柔らかさと強度を活かして、薄手のファッションバッグやソフトなお財布、パンプス、レザー衣料、帽子、実に様々な用途で使われています。また、タンニンに比べてなめしが短時間で終わるので、その分、総じて安くなります。「ヌメ革製です☆」とうたっている製品がそうでない製品に比べて高いのはそのせいです。
クロームなめしを行うと、革そのものの色はグレイっぽくなります。ですので、ヌメ革のように地が好けるような染料だけでは具合が悪いです。ここは遮蔽(しゃへい)性の高い顔料で着色します。
お芝居やテレビ出演者のメイクに使うドーラン、あるいはコンシーラーのような感じでしょうか。
ナチュラルメイクのヌメ革は手から出る脂や日光の影響で少しずつ色が変化して「味」がでてきたり、使っているうちに柔らかさがでてきたりますが、しっかりメイクのクロームなめし革は色も硬さもほとんど変化しません。
どちらかが絶対優れているというものではなく、製品の用途とか、表現したい風合いとかに応じてチョイスするという感じですね。
で、元に戻って、今回のトートバッグは無染色のヌメ革で作りました。
これです↓

スマイルな内ポケットが一つ、開閉はマグネット式です。
革は写真手前に写っている革包丁という刃物で切ります。縫い穴をあけて、針と糸で縫いあげます。
全部手作業なので、これ一つつくるのに丸二日はかかります。(上手な方はもっと早いかもしれませんケド(^^;;
で、上の方の巻いてある革の写真の色と随分ちがうでしょう?

↓実はこのオイルを塗っているからです。

ニーツフットオイルという製品で、牛のスネから採った脂で、ヌメ革のお手入れには定番です。
お手入れ目的の場合、うっすら塗るだけで足りるのですが、早く深い色合いを出したいときには大量にぬりぬりします。今回もだいぶ塗り込みました。
この段階では脂がしみ込んで色が濃くなっているだけですが、実際に使い始めると、日焼けしたり、手でなでられてツヤがでたりして、いわゆる例の「味」がでてくるというわけです☆
これからもう少しオイルを足したり、飾りを考えたりして商品にしたいと思います♪
r.

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